取引履歴の開示請求って必ずやらなくちゃいけないの?
では、取引履歴の開示請求について詳しくみていこうか。
取引履歴の開示請求とは
取引履歴の開示請求とは、貸金業者に対して自分の取引履歴を開示するように請求することです。
取引履歴には過去から現在に至るまでの借入や返済内容など、詳しく記載されています。
貸金業者は、法律で債務者毎に取引の内容を記載した帳簿を作成し、保存する義務があります。
また、借り主は帳簿の閲覧や写しの請求権が認められています。
取引履歴の開示請求が必要な理由
任意整理などをする際は、取引履歴の開示請求を行い、自分の取引履歴を確認する必要があります。
なぜ、取引履歴の確認が必要なのでしょうか。
理由は簡単です。
貸金業者から開示された取引履歴は、誤った借入額の可能性があるからです。
誤った借入額とは、実際に払うべき利息以上に支払いしている状態です。
過去にグレーゾーン金利といい、適正な金利以上で貸し付けが行われていた時代がありました。
これは違法であると裁判所で認められたため、適正な金利で計算しなおすことで借金を減額させたり、払いすぎた分(過払い金)を返すように請求することができるのです。
広告などでよく見聞きする「過払い金請求 」が、これに当たります。
また、適正な金利で計算し直すことを「利息の引き直し計算」といいます。
利息の引き直し計算についてもまとめていますので、こちらを参考にしてみてくださいね。
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取引履歴の開示請求は自分でできるのか?
取引履歴の開示請求は、自分でもできます。
でも注意が必要です。
自分で取引履歴の開示請求した場合、貸金業者から「借金を減額しますよ」や「過払い金があるので、お返しします」との申し出がある場合があります。
借金がある側からすれば、願ってもないことですよね。
でも、安易に貸金業者からの申し出を受けてはいけません。
貸金業者からこのような申し出があった場合は、通常の過払い金請求よりも借金が減らなかったり、返還金額も少ない可能性が高いです。
また、貸金業者とのやり取りのなかで、あいまいな回答をしてしまう場合があります。
こういった場合、口頭で和解承諾したと受け取られ、後日、貸金業者とトラブルになるケースは多いのです。
これらはすべて、債務整理についての知識が無いことが原因です。
知識が無い状態で貸金業者と交渉をするのはリスクしかありません。
せっかく、借金が減額されたり、過払い金が返還される可能性があるのに、対応を間違えると無駄にしてしまう可能性がありますからね。
本気で債務整理をすると決めたら、自分でやろうとせず、最初から信頼できる弁護士や司法書士などの専門家に相談するほうが賢明です。
取引履歴の開示請求方法
自分で取引履歴の開示請求を行う場合の流れをまとめてみました。
ステップ1 |
貸金業者へ取引履歴がほしいと、電話連絡する。 |
ステップ1の電話連絡で取引履歴が入手できる場合が多いでしょう。
もし、ステップ1で完了しない場合はステップ2へ進んでください。
ステップ2 |
電話連絡で取引履歴を入手できない場合、貸金業者より所定の手続きを案内される場合があります。 その場合は、その手続きに従って開示請求するようにします。 |
注意ポイント
自分で取引履歴の開示請求をする際、貸金業者から開示理由を聞かれる場合があります。その際は「取引内容を確認したい」とだけ回答するようにしましょう。あいまいな回答をすると、後にトラブルにつながる可能性もあります。心配であれば、専門家に相談するようにしましょう。
取引履歴の開示請求をすると家族や周囲の人々に借金がバレる?
自分で取引履歴の開示請求をすると、家族や周囲の人に借金がバレる可能性があります。
取引履歴の開示請求をすると、多くの場合、自宅に取引履歴が郵送されてきます。
そのため、家族の誰かにその郵便物を見られてしまう可能性があります。
もし、家族に借金の内容がバレたくない場合は、弁護士や司法書士に依頼するようにしましょう。
弁護士や司法書士に依頼することで、取引履歴は代理人である弁護士や司法書士の事務所に郵送されます。
そのため、家族にバレる心配がありません。
弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、費用がかかりますが、自分でやるよりスムーズに手続きが進められます。
また、貸金業者との交渉も有利に進められるため、自分一人で交渉するよりも過払い金の返還もより多くなるでしょう。
自分一人で調べながら、債務整理に取り組むよりは、専門家に相談してストレスなく借金問題を解決したほうが得策です。
誰かに相談することで、気持ちも楽になりますからね。
まとめ
- 取引履歴の開示請求とは、貸金業者へ依頼し、自分の借入の取引内容を明らかにすること。
- 取引履歴の開示請求は自分でもできる。
- 債務整理は、専門家に相談することがおすすめ。